171│171オフィシャルサイト

171オフィシャルサイト

171オフィシャルサイト

   

2020.10.0517:21

飽き性のあとYouTubeに上げたビデオたち | みたり PV

作詞/作曲:田村晴信 編曲:171

リアリズムと趣の合間
走ってみたり立ち止まってみたり
今日はこんな柄にない歌を
歌ってみたりバカにしてみたり

道すがら 自暴自棄
やけくそな歌うたい
なるようになってたり

あちこち見渡してみても分からないことばかり
何気なく拾ったものを捨てれなくなってみたり

昔ずっと眺めてた写真
スマホ壊れて消えてしまったな
合理主義と衝動の合間
今日もつまり何もしないまま

道すがら 歩むたび
また何か 見つけたり
また何か 忘れたり

どいつもこいつもみんな嘘くさいセリフばかり
なじんでたいつもの場所もしっくりこなくなってみたり

道すがらこの街も寂しさに輝いて
おれはまた懲りもせずアホくさい夢をみたり

今更ずいぶん前の探しモノ見つけたり
見下してたやつの気持ちも今更分かってきたり
今日はウソくさいセリフも信じたくなってみたり




実は結構古い曲で、飽き性のリリースの頃にできた曲である。
これと暮らしと六甲CITYは個人的に六甲三部作。

この動画は京都MOJOの配信イベントに参加した際のもので、MOJOのツイキャスの動画をPCで画面収録したものを編集してある。
音源もいかにもLINE撮りという感じのドライさだったので、全体的にガッツリコンプで潰したうえでルームリバーブをかけている。
本当はこのくらいの音圧ではじめから配信してほしい笑

私達の音楽に、このゆっくりな映像の切り替わりはPVとしては少し退屈だったので、もう思いついた悪ふざけを全部投入した笑
分かる人にはわかると思うが、クソ画質の極大ズームとか悪ふざけのテンションとかは、アメリカのミニマルファンクバンドVulfpeckのPVそのままである。

というか、正直私の活動指針は全てVulfpeckとナンバーガールの活動形態をかなり意識している。
ナンバガはともかく、Vulfpeckについては知らない人も多いと思うので軽く解説しておくが、彼らはミシガン大学音楽学部の同級生を中心に形作られたプロジェクトである。

「カバー曲をリリースしない」「会場がソールドアウトできるまでライブはしない」「レーベルと絶対に契約しない」をモットーにマネジメントからミックスから動画編集から全てを手配し、2019年にはアメリカ版武道館とでも言うべきMSGでのライブをSNSとYouTube内での宣伝のみで完売させ、大成功させた異色中の異色バンドだ。

「YouTubeと配信サービスのみでの音源制作」「自分の曲の弾き方解説動画を自分で上げる」「手元に持ちたいファン向けに、クラウドファウンディングで資金を集めてレコードを制作」「Spotifyが再生回数で収益をカウントしていることに目をつけ、無音かつ数秒の曲しか入っていないアルバム『Sleepify』をリリース、ファンに寝てる間にエンドレスで流させて4万ドルをゲット、その資金で無料ツアーを行う」「『Vulfpeckのニューアルバムの10曲目に自分の曲を入れる権利』をオークションに出品」など、彼らのユーモラスかつ反抗的なエピソードは数え切れないほどある。

そして何よりも彼らのバンドを特徴づけているのが、その映像制作だ。
PVはほぼ全てスマホで撮ったレコーディングセッションを編集したもので、極大ズームや字幕などをアーティスティックかつユーモラスに取り入れ、低予算ながら見飽きない動画を作っている。

長すぎるので残りの解説はこのサイトにおまかせするが、とにかくこのバンドの斬新な活動スタイルは私の思想にかなり影響を及ぼした。
彼らは小音量・超技能のマルチプレイヤーだらけファンクバンドという、私達とはかけ離れた存在だが……。
だからこそ、彼らのスピリットには憧憬を持ちつつ、彼らとはまた違う新しい風を私達が吹かせなければ、と強く思う。

本当に長くなったが、このPVは彼らへのオマージュと言うか、パロディくらいの気持ちで「Vulfpeckの極大ズーム」を丸まるパクらせてもらっている。
実際やってみると、これが楽しい。今後も使うかもしれない。ごめんなさい。

2020年10月5日 文責:田村晴信

歌詞&雑記一覧