2021.04.2318:14
近況報告 | 梔子のミルク
作詞:カナ 作曲:田村晴信 編曲:171
六畳一間に水を満たして
底で眠っている僕です
静かなのに
濁っていてうるさいのは
明け方の窓に
完全な真空が
押し寄せるからです
青くて遅い
遠くて親しい
きらめいている
きらめいている
水を飲み込み酸素を吐き
それを呼吸とする僕です
愚かなのに
光っていて揺れないのは
真夜中の窓に
終末の爆音が
届いているからです
青くて鋭い
遠くて親しい
きらめいている
きらめいている
前述の通り、カナが一晩で書いてきたシリーズの内の一曲。
バンドが成熟したり売れたりしてから、取ってつけたように作りはじめたピアノバラードが私は大嫌いだ。
しかしながら、爆音ギターロックだけではそのうち飽きが来るのも確かだろう。
どうせいつかやるのなら、今のうちに手を出しておけば、こういう方向性も「171」の枠組みに入れておくことができると思い、この曲は綺麗なバラードをコンセプトに制作した。
ピアノを弾きたいとカナはかねてから言っていたので、今回ピアノでの作曲に初挑戦してみた。
最終的には尖った曲になってしまったが……。
かなり実験的なミックスをしているが、近況報告のPVでそれとなく挿入しているように、-これは私の大学の友人のアイデアによるもの。
アイデア、というか、「飽き性」をリリースした直後に酒の席で、「はやく171も、ドラムが左チャンネルで、ボーカルが右チャンネルで、ベースレスの曲作って欲しいなぁ」と彼がふざけて言っていたのだが、そのときから私は密かに「なら絶対次のアルバムで入れてやるぞ」と心に決めていた笑
彼も近況報告のPVを見てくれたらしく、先日LINEで「サビになったら一人称が『小職』になる曲か、早く作ってほしい 文京区Oさん」
「途中で耳かきのASMRが入る曲作ってほしい 文京区Oさん」と次のお題が送られてきていた。
流石に無理がある。
2月に幻像と薄暮と衣替えをレコーディングし、梔子だけが最後に一曲だけ残ってしまったので、この曲に関しては246のセルフレックシステムを使わずに、自前の機材だけでレコーディングすることにした。
171の曲は基本的に全ての楽器をせーので同時録音しているが、この曲は当初私の実家のアップライトピアノをカナに弾いてもらって、すべての楽器を分けて録ろうと思っていた。(というか普通レコーディングというのはそういうものだ。)
しかしながら❤️緊急事態宣言発令❤️の影響もあり生ピアノのレコーディングは断念し、結局246JUSOに私の機材を持ち込んで、ドラムと電子ピアノで同時にレコーディングすることにした。
自前の機材のみで撮るとなると使える配線の数も限られるので、この曲では前々からやりたかったマイク一本でのドラム録音に挑戦してみた。
モリモリもこの曲では本当に最低限のセットで叩いてくれたので、かなり良いマイキングができたと思う。
ピアノに関しては、電子ピアノのoutputとは別に、オーディオインターフェイスにMIDIケーブルを繋いで、演奏データも同時に録音している。
結局最終的にピアノに関しては、実機で鳴らした音源は使用せずに、MIDIデータでCubaseの内蔵音源を鳴らしている。要するに、スタジオの電子ピアノはMIDIキーボードとしてしか使わなかった、というわけ。
後に私が諸用で帰省した際、ついでに実家のピアノをオーバーダビングしてみたのだが、重ねてしまうとイマイチだったので今回は使わなかった。
生ピアノのレコーディングは、次のアルバムで是非ともリベンジしたい。
電子ピアノはどうしても攻撃的なタッチになってしまうし……。