2021.04.2318:30
近況報告 | レコーディング・ミックスについて
この項は、生バンドのレコーディングをDIYでやろうという狂人にむけての覚書という側面が強いので、全体的に少々専門的な話になる。長くなるので、興味のない方はしばらく飛ばしていただきたい。
バンドのレコーディングは『梔子のミルク』以外は全てスタジオ246WESTの8スタ(セルフレック)でバンド一斉録音である(結構色んなテイクから切り貼りはしてるけど)。
前述のように梔子のミルクのみ、246JUSOの8スタに自分のパソコンとマイクを持ち込んでレコーディングした。
歌撮りは全て246WESTに、これまた私の機材を持ち込んで5〜6回に分けて録音した。部分的な手直しは自宅でも行っている。
「飽き性」と同じスタジオ、ほぼ同じ環境でレコーディングしているが、機材に関しては「飽き性」から少し変化があった。
1番大きな変化は、間違いなくモリモリが車を購入したことだ笑
青色のTOYOTA・PASSO 2016年式、めちゃくちゃかわいい。まどのそとのPVにも登場してもらった。
自家用車という概念!!
どこでもいけるって凄い。
私とカナも原付を持っているし、モリモリに関しては大学時代から中型に乗っていたが、やっぱ車って凄い!
私がアンプを購入して以降は、よくモリモリにレンタカーを出してもらって(私とカナは免許がない……)いたのだが、パッソくんの登場によってバンドの移動スタイルは革新的に変化した。
この場を借りて、会社員とバンドマンを兼業しながら、運転任務までも一身に引き受けてくれているモリモリに多大なる謝辞を送りたい……。
サウンド面での大きな変化は、カナがアンプヘッドを購入したことだろう。
確か中古29000円くらいで売っていた、マークベースのSD800である。
設定が細かすぎて少し扱いにくさはあるものの、(マークベースにしては結構大型だが)軽くて丈夫で運びやすいし、攻撃的なソリッドステート感も、カナの性格にあっていると思う。
実はこのアンプの前に、marshallのorigin50をベースアンプとして使おうと購入していたのだが、残念ながら爆音バンドでベースが使うにはパワー不足だった。メルカリで売っちゃった!
ドラムに関しては、モリモリの社会人パワーで機材が増えていき、1年弱のレコーディング期間の間に色々とカスタムされた。
特に9月から12月の間にハイハットを購入したこと、2月のレコーディング前に、グレッチの極太スナッピーをスネアに張ったことで、だいぶバンドとしての出音が変わった。
ハイハットの音は私のミックスのさじ加減も大きいが、2月にレコーディングした『薄暮』『衣替え』『幻像と重力』では、ギターとベースに共鳴してスナッピーが唸りまくっているのがわかると思う。
実は今作の楽器撮りが全て終了してからライドシンバルも購入しているのだが、音源でのお披露目は次回作になるだろう。
ギターに関してだが、私は『飽き性』と暮らし・六甲CITYのPVのギタートーンに関して非常に不満があったので、今作では妥協したくなかった。試しにオーテックのAT4050を246でレンタルしてこの2曲を撮ってみたところ存外に良い音で録れたので、今作は全曲AT4050とSM57の2本体制で録音した。
というか、前作からこの2PVまでのギタートーンに関しては、246WEST 8stの1960Aのスピーカが割れていたことが大きい笑
スタッフさんに言うのが面倒くさくて、ずっと割れたキャビで録音していた笑
意を決してスタッフさんに相談してみたら即座に別のキャビを持ってきてくれたし、現在は当キャビも修理されているので安心して欲しい。
前作では歌レコにしか使用していなかったAT4050をバンドのレコーディングでも使用するようになってから、ラージダイアフラムのコンデンサマイクを一本持っておきたくなってきたので、12月に下位機種のAT4040を購入した。
それ以降のレコーディングではベースと歌はほぼこれでとっているほか、梔子のドラムはAT4040一本で録音している。
ミックスに関しても、WAVES AUDIOのプラグインエフェクトをいくつか購入したことで、格段に作業効率とクオリティが上がったように思う。
特にコンプレッサに関しては、WavesのCLA-3aと1176しかほぼ使っていない。
バンドとしての演奏力が上がったことと、私のミキシング技術・レコーディング技術も上がったことで、「こうせざるを得ない」という音作りから「こうしたい」というミックスにシフトすることができた。
ドラムの質感を曲ごとに変えてみたり、ルーチン・トラブルなんかはちょっと汚めにミックスしてみたり、セルフミキシングならではの遊び心は色々入れられたと思う。まぁ時間はかかったけど。
全体的なミキシング において、今作で意識したのは『普通のミックス』だった。
前作で少し尖りすぎて技術不足を露呈した感は否めなかったし、いくらなんでもボーカルがちっちゃすぎる気もしてきたので笑、今作は普通に飲食店とかで流れてても大丈夫そうなミックスを心がけようとした……。
前作でボーカルをかなり弱くミックスしたのは、皆さんご想像の通り、最後までボーカル・トラックを前に押し出す自信が持てなかったからである。
この辺のアレが最終的な音源に深く影響してしまうのは、セルフミキシングの難点かもしれない。
しかしバンドも3年目に入れば歌にも慣れるし、前作とは違って良い歌詞も書けるようになったので笑、今作はボーカルを主軸においてミックスをしていった。
今作のボーカルトラックは、Number GirlのTOKYO FREEZEという曲のミックスをかなり参考にした。
私は、ロングリバーブやオートチューンなどのクソウンコ系エフェクトを破茶滅茶に憎んでいる。
なるべくソリッドで、コンプだけがバチコリにかかったボーカル、Tokyo Freezeの、アタック音がパッコンパコンいう感じなんかもう大好物なのだが、まぁ全曲これだと疲れてしまうので、アタック感はもう少し薄めにした。
カナは結構ダブリングとかディレイとかが好きなので、カナの声には積極的に導入する予定……だったのだが、ミックスしてるうちに全部オミットされてしまった笑
オミットされたというか、全箇所ラジオボイスで置き換えられたというか……。
その分ラジオボイスだとか、ルームリバーブのオンオフだとかそういうおもしろエフェクトはカナ曲の色んなところに登場させている。
六甲シティでは私の声にもラジオボイスをかけているし、今後の作品ではもっと遊びを入れていくことになるかもしれない。バラードにロングリバーブだけは絶対にかけへんけどな。あれはクソウンコやから。クソウンコ、ポコチンポ。クソウンコ、ポコチンポ!