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2021.04.2318:30

近況報告 | アルバム制作にあたって

『飽き性』は我々の初期衝動の集大成だったが、それ故にリリース時から音楽性に対する不満というか、自分たちの音楽性がまだ未完成であるという反省も大きく残ったアルバムであった。

飽き性では「171に必要な曲」を意識して制作していたが、打って変わって今作は『今までの171にはありえないような曲』を意識して制作した。
衣替えや梔子のミルクなんかは分かりやすいが、実のところ一曲一曲の制作が自分の中の『171』の固定概念を壊していく実感があった。

個人的に特にテコ入れしたのは自分の曲の歌詞だが、飽き性の制作当時はロックやパンクの体裁にまとめようとしすぎて自分自身が混迷していたように思う。
『171』という枠組みを曲調から破壊できたことで、私自身パンクの呪縛から逃れることができ、歌詞も伸び伸びとかけるようになった。

しかしながらなんやかんやで、完成してみればむしろ『飽き性』よりも衝動的でパンキッシュなアルバムに仕上がった気もする。やはり、ロックとかパンクとかそういうのは、目指そうとして目指すもんじゃないんだなあ。あれ、名盤、できちゃった?w

前作同様、レコーディング・ミキシング・マスタリングは全て私が主導して行い、デザイン面はカナにほぼ任せた。CDの盤面のみ私が制作している。

ジャケットも、私とカナで六甲の公園を回って、私のフィルム一眼で撮影した。
何故か昔から私はカナの写真が綺麗に撮れないのだが、今回は36枚撮りを2本回した甲斐もあって、いいジャケットになったと思う。

本当は2020年内にリリースするつもりだったのが、1月に延び、3月に延び、とうとう完成は4月終わりにまでもつれ込んでしまった。
スケジュールが破壊されていく中で結構焦りも生まれていたのだが、どうせ待たせるのなら絶対に妥協なしの作品に仕上げよう、という共通認識も存在した。待たせただけあって、なかなか自信作になったと思う。
おまたせ続きで、どうもサーセンっした!!

そう考えると、171の根本的な活動指針を定める土台として『飽き性』の存在は、今作の制作において実に大きな意味を持っていた。バンドが自由な音楽性を持つためには、『飽き性』で錨を下ろす必要があったのだと思う。
帰る場所が定まった状態で、ちょっと散歩する感覚というか。一人旅をする感覚というか。
自由の舌触りを堪能するためには、きっと自分にとってなにか不変なものが必要なんだと思う。
地に足をつけていない自由には、油の海を泳ぐような息苦しさがつきまとう。

溢れんばかりの衝動とフラストレーションを詰め込んだ『飽き性』から1年、『近況報告』には今の私達の等身大を余すことなく詰め込めたように思う。良いアルバムタイトルだ。私が考えた(エッヘン)

これからの171にとって、今作もまた錨の役割を果たしてくれるだろう。
きっと次のアルバムはもっと自由になれる。その次はもっと?

結局先のことはわからないものだ。
現在、現在の話。みなさんは最近どうしてましたか?
246のみなさん、ライブハウスのみなさん、動画とアー写を撮ってくれたカメラマンの見尾くんと蛍ちゃん、たくさんの激励とアドバイスをくれる友人たち・仲間たち・近しいみなさん、そして、私達の音楽を手にとってくれたみなさん!
平素は格別のご高配を賜り、心からの御礼を申し上げます。
近頃は、マジでクッッッッッソみたいな時代ですが、いかがお過ごしでしょうか。
私たちはと言いますと―――――

171 セカンドフルアルバム『近況報告』ここに堂々完成!!!!!!

わーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!!!!!!!!

2021年4月23日 文責:田村晴信

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