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2023.05.0919:49

マイ セカンド カー | タイムカプセル

作詞/作曲:田村 晴信
編曲:171

あれからどうした?

昔の俺は足元だけを見て歩いてた
誰よりも真面目に 誰よりも一人で
ある日突然叫び声が聴こえてきて
あたりを見回すとみんなが空を指差してる
そしたら高層ビルの最上階から
君が落っこちてきた
俺に向かって一直線
君の顔を一目見て俺は
死神やー!って叫んで
世界がスローになって
俺はすぐに虜になった
あん時はどうしても認めたくなかったけど
全部俺の自己満足やったんやろ
俺のやり方も俺が我慢してたことも
人間関係も何もかも全部
何もかも全部、何もかも全部!

今からどうしたい?
今からどうしたい?
結局どうしたい?

東京にないもの/東京ではできないこと
悪臭の原因はそこ
東京に この国に アメリカに
それぞれあちこち囚われて
みんなこの街を勘違いしてたし
俺は人以上にそれにぶら下がってたと思う
みんなが普通に通り過ぎることでも俺は
一回一回つまづいて、どっぷり浸かって
誰より深く調べ上げてきた、今
俺だけがこの街の本当の姿を知っているから
みんなが残したタイムカプセルを
俺が全部台無しにして、取り戻したる
いつかこの街に本当の永遠を!

お前はどうしたい?
本当はどうしたい?
お前はどうすんにゃ

あの頃お前はお前の頭ん中の俺と
勝手に喧嘩して
その鬱憤晴らしに目の前の俺を
まぁよー殴りつけてくれたな
あの頃俺は頭ん中でずーっとお前と喧嘩して
目の前のお前とはニコニコ過ごしとったね

お前は俺のそういうところが嫌やったんやろ
重々それは承知してたけどどうしようもなかった
ただ今思い返せば

ホンマに怖がってたんはお前の方なんやろ?
せやけどお前が仮想の俺に怯えて
現実の俺を殴りつけるたびに
仮想の俺が現実世界に現れていったな
んなことは身に染みてんにゃ
今になって周りがどう言って
慰めたって納得せん!
この怒り 無力感があの頃ふたりで埋めた
タイムカプセルやんか




私が共に青春を過ごしたすべての人たちへ贈りたい感じの曲です。
こういうことって、あるよね〜〜 あるでしょ?

恥ずかしい歌詞ですね。
でもあんまり、恥ずかしくないんです。

クソ長いので、章を作ります。全3章です。
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第1章 5/3のMCで喋った話
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去年から東京遠征をはじめて、弁天ランドとご一緒する機会が何度かあり、今回のツアーにも呼ばせていただいたが、この曲は本来弁天ランドの曲なんです。

と、いうのも。
彼らと初めて対バンしたちょっと後に、弁天ランドのライブを見ている夢をみた。

新曲やります、と夢弁天ランドがQRコードを配りはじめ、読み取ると歌詞が夢スマホに表示された。
「あっそれ俺がやろうと思ってたのに!」と悔しくなったが、やろうと思ってたから夢に出るのは当然である。

夢から覚めて唯一覚えていた歌詞が「高層ビルの最上階から君が落っこちてきた 俺に向かって一直線 君の顔を一目見て俺は「死神だー!」って叫んで」という部分だった。
言うまでもなく、この曲の中で最も恥ずかしい部分である。

歌詞を書くのを恥ずかしがっているようでは、良い歌詞もかっこいい歌詞も書けない。というか、書く資格がない。

しかしまぁ私はかなり恥ずかしがりやなので、近況報告以降はなるべく恥ずかしくない歌詞を作ってきたが、本来私は恥ずかしい歌詞が好きなのである。

「恥ずかしくない」を条件に曲を作っていては次のステージに行けないなぁという気持ちもあった。
自分の中で、「飽き性」の頃の音楽性と向き合わないとなぁ、というか。

そんな中、夢弁天ランドが夢ライブで、躊躇いなくカッコいい曲をやっているのを見て、夢はるぽん(私のことである)は「やられた!」と思った。

起きてすぐに、覚えてた上記の歌詞を現実スマホのメモ帳に書き留めて、そこから発展させていく形で1番全体の歌詞を書いた。

ので、上述のように、当初は「死神やー!」ではなく「死神だー!」だった。
弁天ランドは関西弁じゃないので……。

関西弁って録音すると関西弁すぎるので、最初の構想としては1番2番を標準語で喋って、最後だけヒートアップして関西弁、というつもりだった。
実際そのつもりで歌詞を書いて、スタジオにデモを録音しにいったのだが…

まぁ気持ち悪い。
普段喋り慣れていない言葉というものはどうしても、舌馴染みのなさが滲み出てしまう。
試し録りの1回でゲボ吐くかと思ったので、悩みに悩んで関西弁に寄せて歌を仕立て直した。

これ見よがし関西弁になるのもキモいのでなるべく歌詞は変えず、イントネーションだけの修正にしたかった。

が、「死神だ」という語彙が自分の喋り言葉の語彙になさすぎて、苦肉の策として「死神や」に変えることとなってしまいました。

見ての通り文章では「○○だ」も使うし、他の曲なら歌詞でもよかったが、喋っているだけに違和感が拭えなかった。

なので、死神やー の やー だけは夢弁天ランドじゃなくて現実はるぽんに責任が生じてしまい、やー って言ってる時だけ恥ずかしいです。

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第2章 関西弁について
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なるべくこれ見よがし関西弁ではなく、自分の自然な喋り言葉で歌詞を書きたかった。

最終的に少々ウザい仕上がりとなりましたが、標準語ノンネイティブのみ石を投げてください。

願望として、これからの関西人は、東京へのくだらない嫉妬心や、勝ち目のない対抗心のために関西弁を押し売りするのではなく、関西以外の方言のために戦ってほしいと思う。

今デカい顔でたこ焼きを撒き散らしている関西弁が1歩下がれば、他の方言は5歩下がらないといけなくなる。

別に東京で関西弁を話せというわけではなく、「方言で恥をかく」という概念は関西主導で消していきませんかという話です。
まずは関西を、別地方出身の人がのびのびと好きな喋り方ができるカオス空間にしなければならない。

聞き慣れない言葉にはどうしても違和感や不快感が生じるものだが、そこをなんとか受け入れられる懐の深さが関西には必要だと思う。

そういう意味で、私がTOKONA-Xを聴いてて感じる方言の面白さをこの曲で出したかった。
怒声の人が語尾「にゃ」だったらかわいいかなぁと思って、入れてみました。
いかがでしたか?

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第3章 パクリ元の話
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残りの部分はいつも通り、私の「こんな曲作りたいなぁ」リストからの寄せ集めである。

ドラムソロのところは、SiMのPaint Sky Blueとか、Weezerとかのデンデン ってやつ。
First TakeのCreepy Nutsの生業を聞いてカッケかったので笑、後半16分で歌詞を畳み掛ける感じを入れてみた。

レコーディングしてみたところ私の滑舌の限界スピードを若干超えてしまったため、あんまあの洋HIP HOPっぽいドカドカ感が出なかった…。これは反省。また同じようなことしたいです。

サビ?のシャウトは完全にRefusedのNew Noiseです。
なんならデモの段階では歌詞もそのまま丸パクリで「Can I scream?」だったが、初披露ライブの前日にギリギリで思いついた。

私は英語の歌を頑張って練習して、歌うのが好きなんです。
英語ってやっぱり発音していて楽しいがちだし、New Noiseの「Can I scream?」は中でも本当に楽しい笑

折角自分の喋り言葉で作ったのだから、シャウトの部分も自分の語彙にある言葉で、同じくらい歌ってて楽しいものを探したかった。

結果的に今度はナンバガの性的少女みたいになってしまったが、シャウトしてて楽しく、曲に深みを与える歌詞が思いつけてよかったです。

仮タイトルは時雨のオマージュとして「Les Paulic Reality Show」だったが、恥ずかしいのでやめました。
CDデータ入稿の1週間くらい前に「タイムカプセル」と決め、3番の最後の歌詞にも盛り込んで、ボーカルもそこだけ撮り直した。突貫工事です。

タイトルは本当に迷いに迷ったが、この曲が昔の恋を振り返る曲だしても、友情のテーマだとしても、被害を訴える曲だとしても、青春を総括した曲だとしても、どうとっても良いタイトルになったと思います。

2023年5月9日 タムラ

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