2024.01.1519:56
マイ セカンド カー | ドライブの終わり
作詞:田村晴信
作曲:田村晴信
編曲:171
知ってる景色がちらほら流れて
このドライブもそろそろ終わり
見飽きた街に吸い込まれたら
明日からまたいつもの暮らし
華やかなネオンも のどかな匂いも
いつしかもう記憶の彼方に
短かったような長かったような
特別な時間はあと少し
この毎日にも新しい部屋にも
だんだんと慣れてきたみたい
いつもの街といつもの匂いと
明日からまたあなたとわたし
いつもの暮らし
あなたとわたし
いつもの暮らし
あなたとの暮らし
明日から気だるい
それぞれの暮らし
これが運命だって思い込みたくて
僕ら証拠を集めてたね
今からそれを諦めたくて
粗探しをしてるんでしょう?
思い込みたくて 諦めたくて
四六時中 理由を探して
思い込みたくて 諦めたくて
四六時中 理由を探して
後付けでも納得したくて
僕らずっと目的地探して
知ってる景色がちらほら流れて
このドライブもそろそろ終わり
見飽きた街に吸い込まれたら
明日から
インターセクションのPV撮影なんかも混ぜて色んなオフショットと、レコ発ツアーの映像を混ぜたPVを制作した。
インターセクションでは初めて俺のDIYではないPVを作ったので、自分が背伸びせずに作れる最高のものを作ってみよう、という気持ち。
良いPVができたと思う。
ツアーに関して。
今作で3枚目のアルバムになるが、初めてのレコ発かつ初めてのツアーを組んだ。
本当に大変だった…笑
ブッキングあたりの連絡は全部モリモリがやってくれたので、ライブ運営に関しては彼が本当に大変だった。
ライブハウスで開かれるイベントには、大きく分けて2つのパターンがある。
業界用語で言うところの、「箱ブッキング」と「持ち込み企画」だ。
要するに、出るバンドにオファーを出したり、お金の勘定をしたり、タイムテーブルを決めるのが、ライブハウスなのか、イベントの主催者なのかということ。
今回僕らは、ツアーの7公演を全て持ち込み企画で回ることにした。
7月の東京編だけは、神々のゴライコーズのお兄さんたちが半分バンドを集めてくれて、かなりおんぶに抱っこで企画をしてもらった。
感謝してもしきれません。
まぁ身も蓋もない言い方をしてしまえば、好きなバンドを好きなだけ呼んで、好きなことできる代わりに、大赤字の際は僕らがケツを持たないと行けない、ということ
ハッキリ言って大破産を覚悟して組んだツアーだったのだが、レコ発に呼んだ人々はみんな、とても気合の入ったライブをしてくれて、身の引き締まる思いだった
僕らの予想以上にたくさんの人がレコ発を見に来てくださって、本当に7公演全てが、かけがえのない思い出になりました
僕たちのわがままツアーに土日祝を任せてくださったライブハウスのみなさん、一組残らず凄まじいライブをしてくれた対バンのみなさん、CDを買ってくれたみなさん、何よりも、安くないチケット代を払って、貴重な時間を割いて、ライブを見に来てくれたみなさんに、この場を借りて感謝の気持ちをお伝えしたく思います。
本当にありがとうございました。
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ゆうらん船の『鉛の飛行船』を聞いて、「俺も童謡みたいなメロディの曲が作りたい」と思ったのがきっかけ。
どうでもいいことだが、お正月に作った。
私は元々リードギターをずっとやっていた人間だし、飛び道具もいっぱい持ってるし、平均的なギタボよりも多くのリソースをギターにつぎ込んでいる。
もちろんそれはイナイチのセールスポイントではあるが、「ややこしいギターで誤魔化してるんじゃないか?」という疑問が自分の中で段々と大きくなってきた。
そんなこんなで最初は、「BIG MUFFを踏まない、ローコードしか弾かない」というチャレンジをしていたのだが、いつの間にか普通にややこしいギターになってしまった。
カナとモリモリには、「メシアと人人の『ククル』みたいな感じで」と注文したように思う。
あと、the coopeezの『無力な瞬間』も。
このアルバムの裏テーマは、「ドライブチューン」だった。
アルバムタイトルが決まる前から個人的にそういうふうに決めていた節がある。
当時私は車の免許を取り立てだったのだが、自分が車を運転するようになって、ドライブの最後に聴く曲ってのが世間には少ないなぁと気付いた。
「童謡っぽいメロディ」というテーマとともに、「小学生が合唱できる曲」を作ってみようという気持ちもあった
まぁ合唱はしんといてほしいけど笑、小学生が聞いても「好きな曲」って言ってくれる曲というか、小学生でも書ける歌詞の曲というか。
なんかこう漠然と、「子どもは楽に生きてて、大人は子どもより辛い世界を知っている」という価値観が世の中にはある。
全部が全部そうってわけでもない。
少なくとも言えることとして、タームの終わり、この生活の終わり、子どもたちはそういう時間制限付きの日常を、大概の大人より激しいスパンと深刻さで経験している。
旅の終わりの寂しさも、子どもの頃の方がダイレクトに辛かったような…
結局私が悩んでいるのは今も昔も人間関係で、小学生相手に人間関係を実施することは、小学生の私には非常に難しかった。
そんなこんなで、真正面から恋愛の曲って感じにはしたくなかった。
昔から思っていることだが、「ラブソングなんて作った覚えはない」という気持ちと、「ラブソングしか作っていない」という気持ちが同じだけある。
「これが運命だって〜」のくだりは、私の中では恋愛の文脈でもあるし、友人に対しての気持ちでもあるし、自分に対しての思いでもある。
この辺の部分の歌詞の種は、私が就活をしていたときにできた。
「この会社で働く運命だ!!」と思っていた会社にアッサリ落とされたり、とてもやりたかった仕事を悩みに悩んで断念したり。
そんなとき私は、「いや、ここで働いてたら○○だったしな」と脳内論破することで精神衛生を保っていた笑
その行為のアホらしさには自分で呆れつつも、まぁ皆ずっとそんなもんだったな、とも気付いたり。
最後の一節、「目的地探して」は、レコーディング作業の、最後の最後になって歌詞を変更した部分。
リトルカブのAメロからの引用(のつもり)でインターセクションの歌詞に入れた一節だが、アルバム最後の曲の終盤にピッタリとハマって、「ドライブチューン」という裏テーマにも沿っているし、ちょっとコンセプトアルバムみたいな香り付けができた。
「後付けでも納得したくて」は、ピノキオピーの「Obscure Questions」の終盤の歌詞、「全部後付けなんだろう」への、自分なりのアンサーという気持ち。
リトルカブを書くに当たっても意識した曲なので、最後に回収できて気持ちがよかった。
私の中でピノキオピーはとても大きな存在で、「近況報告」からは特に、ピノキオピーのような歌詞を書きたいと意識し続けてきた。
この曲の歌詞は、そんな自分の歌詞書き人生の一里塚になったというか……かなり自信がついた曲。
「アルバムの最後に相応しい曲」が沢山ある贅沢なアルバムになったが、やっぱりこの曲がラストで良かったと思う。
2024年1月15日 タムラ