2025.01.1611:57
Life Size Life | 紡
作詞:カナ /作曲:171 / 編曲:171
ハレー彗星がやってくるから
二つ目の肺を用意しなくちゃ
薄くなる酸素の中で
何とか意識を保っているけど
勝手に過ぎゆく季節を横目に
今ここにある心だけ
見つめたとして 私は
暗く光る星をつないで
絵を描くの きみが空を
見上げた時に、私がここに
生きてきたとわかるように!
恐怖の大王が降ってくるから
きみをどこかに隠さなきゃ
言葉をなくした世界の中で
愛してるとか言ってみるけど
無責任に痛みを残して
今ここにある傷だけを
守ったとして 私は
黒く乾く血を垂らして
絵を描くの きみが眠れない
夜に、確かに私がここに
生きていたとわかるように!
生きてきたとわかるように!
「マイセカンドカー」収録の「Suagari」と同様に、3人でカナの家に集まってちょっとずつ作った曲。
カナのメロディセンスは本当にすごい、自分では作れないような曲ができて本当によかった。
この曲の初合わせのスタジオでモリモリが、「The MusicのThe Peopleを聴いて、ファンクドラムのすべてを理解した」と豪語していた笑
実際、今までの171では出せなかったグルーヴを出せたと思う。
いい歌詞だし、いい曲だなぁと最近しみじみ感じている。
この曲に田村がこめた思いをちょっと語らせてもらう。
「日本人はファンクのグルーヴを理解していない」とよく言われる。
私はVulfpeckからファンクにドハマリしたタイプのにわかFUNKフリークだけれども、そう言いたい気持ちはよく分かる。
ただ「日本語の発音に原因がある」だとか、「アフリカン・アメリカンにしか出せないグルーヴ」だとか言われると眉をしかめたくなる。
そういうのを「リスペクトレイシズム」と呼んでいる人をTwitterで見かけたけれども、本当にそうだと思う。
僕は趣味の悪い音楽をたくさん知っているので、グルーヴの欠片もない海外ドラマーもたくさん知っている。。
音楽の背景に、その土地や民族の歴史や文化や言語とか培われた土壌があるのは当然の事実だし、洋楽ファンとして敬意を払う義務があるとも思う。
でも、日本人がファンクのグルーヴを理解できていないのは、単にリズム遊びが一般大衆に流行っていないだけでしょって僕は思っています。
そして、それって意外と簡単に変えていけるものだとも思う。
僕の列島改造計画をお聞き願いたい。
SuperBackというバンドに、丹野という変なやつがいる。
彼は「ギターの音を短く切ること」にこだわってギターを弾いている。
何を隠そう、わたくし田村もそうなんです。
そのためにギターにドリルで穴をあけて、スイッチまで取り付けている。
この曲は「俺はここまでギターの音を短くできるぞ」という丹野への挑戦状という気持ちでギターをつけた。
「ギターの音短くする競争を丹野とやってます」的なツイートもした。
レコ発ワンマンのあと、「紡のギター超短かった」とSNSで褒めてくれてた人がいた。
本当にありがとうございます!!
これからも短いギターを曲のグルーヴに盛り込んで、SNSやライブMCでアピールしていけば、遠くない将来「ギターの音の短さでお客さんが盛り上がる」といった事態がSuperBackと171のフロアで実現できると思う。
東京から神々のゴライコーズが遠征してきたら、初めて見たお客さんも「この人ら、短い!」ってなるかもしれない。
僕と丹野の内輪ノリはどんどん、僕と丹野だけのものではなくなっていくだろう。
いつかMステや紅白の舞台で、短いギターを自慢気に披露してドン滑りするバンドが絶対に出てくる。
その頃には、ライブハウスには音短いギタリストと、音の短さに喜ぶ観客が一定数紛れ込む事態になっているかもしれない。
逆にそんな風潮に異を唱えて音を長くするギタリストが人気を集めたり、ヒャダイン氏の打ち込みシンセベースの音の短さが再評価されたり、あなたがカラオケでSoul'd Outを歌うとき「アッアララッアッアァ」のキレに気を使うようになるかもしれない。
海外からファンク・バンドが来日したならば、ギターを短く切ると客席が盛り上がる謎の現象を目の当たりにすることだろう。
深夜にホテルの部屋からツイートが届く、「なんてグルーヴィな列島なんだ!」と。
別に外タレに認められるのがゴールとかそういう話ではなくて、国境とか民族とか、僕達の前に広がって「越えられない壁」感を出してるものって、現実的に5ヵ年計画くらいで壊していけると僕は信じたいんです。
カナのキャッチーなメロディが、モリモリの熱意あふれるビートが、僕の大変個人的なこだわりを遠くまで運んでくれた実感があります。
頑張ろう丹野、スーパーデラックス・ダンスタイムはすぐそこに!
2025/1/16
文責:タムラ