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2026.07.1317:00

音楽 青春 LOVE | 音楽やろうよ!

音楽やろうよ!

作詞作曲:田村 晴信  編曲:171


あーあーあーあーあー!
あーあーあーあーあー!

君が世界を僕に教えて!
僕は僕を君に教えよう!
もうすぐ待ちわびた夜明けが来る!

君と僕で作った太陽が!
西から順番に町を照らす!
いつか奪われたもの!
買い直しに行こう!

太陽の君の部分が!
この部屋をあまねく照らし!
太陽の僕の部分が!
君を讃えて照らす!
あぁ、痛みを知った数!
優しくなれたら!

僕を君が見つけた路地裏へ!
君を君が置きに行けよ!
光のない部屋に!
ギターをひとつ!

おー!んー!がー!くー!
やー!ろー!うー!よー!

あーあーあーあーあー!
あーあーあーあーあー!

太陽の君の部分が!
アスファルトまでもを照らし!
太陽の僕の部分が!
僕の行く道を知る!
今、君だけが知る涙は!
君が歌わなきゃ!
この町に朝を呼べ!


「君」「僕」は恋人同士でもいいし、バンドとリスナーでもいいし、リスナーとバンドでもいいし、自分とギターでもいい。「太陽」は音楽でも恋愛でもいいし、「路地裏」は飲み屋でもライブハウスでも楽器屋さんでもいい。マッチングアプリでもいい。

●曲作りについて

こんな曲はもう二度と作れないかも。ほとんど一息で、5分もかからずに作った。最近カナの作曲の才能が目を見張る進化を遂げている中、「やっと負けないものができた!」と思った。超お気に入り曲です。

なんというか、歌詞もメロディもアレンジも、自分が作った曲というよりは……うーん、あんまりこういう言い方はしたくないのだけれど、音楽の神様から借りたもののように思える。

私は結構理詰めで曲をつくるタイプだと思う。構成も歌詞もテーマというか、なんとなくの骨組みが最初にあって、肉付けしていく。
スケッチというよりは組み立てていく感覚というか…。

この曲も最初はそういう作り方をするつもりだったのだが、結果的にもっと感覚的で即興的な作り方になった。筆が走るに任せて文字を書く感覚というか、口に任せて喋る感覚というか?

曲を作る人や短歌なんかを書く人は共感してもらえると思うが、出鱈目の仮歌詞でメロディを考えていたら、偶然にも意味の通る歌詞が口から出てきて、そのままそれを採用する…みたいな。
これで作った歌詞やメロディが曲の中核を担うことが結構多々ある。

カナは私よりそういう作り方の割合が大きいと思う。
私の場合はいつも、曲の9割を考えて作って、残りの1割は即興の思いつきで埋めていくのだが、「音楽やろうよ!」はメロディから構成からコードに至るまで、9割5分がこの「口から出まかせ」によって奇跡的に構成された。

制作総指揮の外村さんから、「このタイミングで『171の過去最高傑作』を出したい」という気合の入ったリクエストを受けており、私は色々考えあぐねていた。
グレモンハンドルを始めHELLO!の曲たちは、ポップなフォーマットの曲を無理矢理ロックに演奏する、みたいな感じの質感だったので、今回は「曲の建て付け自体が尖ってる曲」を作りたいなぁと思っていた。わかりやすく言うなら、アコギで弾き語りしても尖ってる曲というか?

当初の私の大本命は先に完成していた「青春ウソホント」の方で、「音楽やろうよ!」は、普通にマイナー調のインターセクションみたいな、「みんなこういうの好きやろ」曲を作ろうと思っていた。

要するに、やる気が湧いていなかった。
やる気が湧かないままデモ提出の締切日の朝になってしまい、「8ottoみたいな曲作りたいなぁ」と「カナが衝動革命のサポートでdrop Dの曲やってたのプレイスタイルに合ってたなぁ」以外の構想が全くないままPCとベースを車に積んで、人里離れたところに駐車して考えることにした…。

一旦適当な4つ打ちをDAWで打ち込んで、ヨークシンのこととかを考えながらベースを弾いていたら、偶然短いループのメインリフができた。
最初はストレートにDマイナーの曲のつもりで作ったリフだったが、ふと鼻歌で出てきたDメジャーのメロディにビビビと来た。そこからはもう一息で、1コーラスぶんの歌詞もメロディもコード進行が口からスルスルと出てきた。

何もないところから即興に近い形で歌詞も含めた1コーラスが出現するのは初体験だったのでとてもビックリした。1番はそのときに出てきたものからほぼ変えていない。
ある意味で私の音楽人生そのものとも言える「青春ウソホント」を「音楽やろうよ!」が越していくことをひしひしと感じ、悔しさすら覚えた。

何かに取り憑かれたような気分というか、異世界からイタコの口寄せみたいに何かを持ってきてる気分だった。
ジミヘンドリクスのインプロってこの領域にアクセスしていたのか?とまで思ったりした。


●歌詞について

歌詞自体は私が日がな思っていたことの寄せ集めだけれど、私が本来持っている作詞能力の器を超えたアウトプットをできた気がした。

1番ができた段階で私はこの曲をポエミーな純ラブソングだと思っていたのだが、ふと「『太陽』が音楽のことだったら面白いなぁ」と思いたって2番の歌詞を書いた。
口から出まかせじゃなく、自分でしっかり舵を取って書いた歌詞は2Aからな気もする。

2Aを作り終えたときに、「音楽やろうよ!」というタイトルがふと浮かんできた。このタイトルは、今回謁見した音楽の神様からのオマケのプレゼントのように感じている笑

普段こう見えて私は「音楽やろうよ!」とは言わずに「よかったら、音楽やらない?」とか言うように心がけている。なんというか、私の音楽の道は周りの人と運に恵まれてきたし、自分の環境を羨む人もいると思う。

「自分は音楽の才能がある」と信じてここまで来たけど、才能のあるなしよりも、自分の才能を信じて伸ばせる環境にいたことの方が大きかったと思う。
親も音楽が好きだったし。

でも私の持論として、ロックの歴史を動かしてきたのは1割の天才と9割の凡人だと思っている。この凡人の多さが、カウンターカルチャーとしてのロックを作り上げてきた。凡人の音楽だから凡人が憧れる、お金を貯めてギターを買う。

この曲の最後の歌詞は「君だけが知る涙を君が歌うとき、この町の夜が明ける」という案もあって、歌RECをしながらIZU STUDIOにいるみんなで考えた。
「君が歌わなきゃ」は少々押し付けがましいので、一度「君が歌うとき」で決定して歌も撮りきった。しかし完成したテイクを聞いていたら、「この曲は腹をくくって「君が歌わなきゃ」って言うべきかも」と思いはじめ、そこだけ今の歌詞で撮り直させてもらった。うん、やっぱり変えてよかったな。

中盤のデスボイスも賛否あると思うけど笑、これを入れたら絶対面白いとデモの段階から確信していたし、カナはデスボイスが上手いので、入れられてよかった。
喉を潰しそうだったのでここのデスボイスはREC最終日の最後に撮った。僕もカナも2回しか歌ってない。ほぼ一発OKだった。

「音楽」とか「創作」とかいう言葉が持っているハイソな響きが私は心底嫌いだ。中学生の私にとって、マキシマムザホルモンやVocaloidなんかは「親の前では聴けない音楽」だったからこそのめり込んだわけで、それはロックの持つ1番根源的な魅力だと思う。だからこそ逆に、クラシックで踊ってもいいし、ジャズは下町にこそ根ざしてほしいと思ったりもする。
そういう思いも込めて、ここにデスボイスを入れられてよかった。

●PVについて

いつもどおりPVは加藤マニ監督。
最初のZOOM会議で「どこまでふざけていい曲なのか難しいですなぁ」と仰っていたので、「全部ふざけていいです」とオーダーしたところ、Dani Californiaシステムのプロットを作っていただいた。
俺のコスプレがあまりにも似合わなさすぎ問題があるが、似合ってない奴はほとんど私服です。悔しいです。
撮影は1日で撮りきったのだが、暑いし衣装チェンジも多いし大変だった。次は冬に撮りたいです。ストロボびかびかの状態で取り続けるシーンが多く、現場の人たちはみんなポリゴンショックになりかけていた笑
多忙だったメイクのみなさんありがとうございました。

「今回は7変化だったから、次は5年後くらいに3日くらいかけて17変化したですなぁ」とマニさんは言っていた。ぜひやりたい。
今回は特定の誰かのオマージュになりすぎないように衣装を選んだけど、もっとコスプレって感じのこともしたいですね。Slipknotとか解凍期P-MODELとかやりたい。3人全員初音ミクもやりたい。音楽って楽しいね。


●「西から順番に町を照らす」について

実家暮らし時代の私には「徹夜をした日は家の屋根に登って日の出を見ながらタバコを吸う」というイキり散らかした習性があった。
私の実家の一軒家は、頑張れば無理やり屋根に登れる構造になっていて、私はこっそり屋上代わりに使っていた。

京都の住宅街はカスなので高い建物がなく、普通の一軒家の屋根の上でも見晴らしがよかった。

おい、お前は日の出を高台から見たことがあるか? ないなら一度見た方がいい。

太陽は東から顔を出してくるから、普通に考えたら夜は東からあける。でも東側に山があると、逆に町は西から朝になっていくんよね。
東の町は山に近いぶん山の影に入っているから、西の町の方が先に太陽を見ることになる。



面白いでしょ。実際に見ると違うよ。

自分の家からはまだお日様が見えていない段階で、西の町の夜明けが見える。遠くの家々から結構なスピードでむかって、1軒ずつ朝日に家々が朝日に照らされていく。
自分の家が光に照らされた瞬間、東の山の稜線から強烈な朝日が顔を出す。

昔よく見たそういう光景を思い出しながらこの曲を作った。

もっと高い場所から見ると、街に降りた「夜と朝の境目」が東の山の稜線の形をしていることに気づく。山の影なんだから当たり前だ。
雲の影が町に落ちるのを見ると、曇りの日の暗さとは巨大な雲の影によってもたらされているという、ガチで当たり前のことを認識する。

そして、そもそも夜というものが、地球自体の影なんだという、現代人にとってはマジで超絶当たり前なことに気づく。
人類が古来から神と同一視して崇めてきた太陽のうち、「神の御技」の大部分は地球上の激ローカルな現象によって起こっていると気付く。

「夜は東から明ける」という宇宙規模の摂理でさえも、たかだか高さ848mの比叡山、地球の直径の4万分の1にも満たない土地のアップダウンよって逆転させられてしまう。

キリスト教が地動説を受け入れられなかった気持ちも理解できる。それは天の所業をこの大地に貶める、極めて不敬なことに思える。
でもそんなことないよね。そうだとしても太陽って凄いもん。

太陽神を因数分解して、mother earthの貢献とお日様の貢献とを切り分けてきた結果、現代人類は古代人類よりも詳細に太陽そのものの凄さに迫っていると思う。

規模は違うけど、この曲もそうだなぁと思った。私は今回畏れ多くも音楽の神様に謁見してこの曲を貸し与えられたと思っているけど、その勘違いのうちのほとんどは、凡人たる私めが先人たちや周りの人々から貰った経験によって培った、私のローカルネットワークで説明のつくものなんだろうと思う。

モリモリは四つ打ちのビートが好きではないので、この曲の解釈に苦戦していた。
ツアーの名古屋編に向かう車内でモリモリから8otto以外にもリファレンスがほしいと言われて色々曲を探した。
SuperBackの丹野に教えてもらったチックチックチックやThe Rapture、ディレクターの外村さんやマネージャーの新川さんが大好きなThe Music、Blok Partyなんかが凄くちょうどよかった。

自分の目指しているグルーヴがSuperBack小椋やゴライコーズグレ橋さんの持つものに近いことにも気付いた。

書き忘れるところだったけど、ギターはかなり面白いことをやっている。オープンDチューニングのスライドギターで、オルタナの音を出しながら、メタルを弾くという挑戦笑。
昔からスライドギターは好きだったけど、デュアンオールマンを初めて聴いた時に、レギュラーチューニングではスライドギターの真髄の1割くらいしか理解できないことに気づいて、辞めてしまった。
ギターが本職ではないTheo Katzmanが「You Could Be a President」でオープンDのスライドギターを弾いていたのは凄く悔しかった。勝手に私はずっとリベンジの機会を探していて、この曲で1人のブルースマンとして名誉を挽回できたと思う。

きっとそういう、ローカルな経験への運命的な出会いこそが、音楽の神様の本当の御技なのかもね。マッチングアプリだね。
天に向かって唾を吐くような気持ちで音楽をやっている奴にも、天命のような出会いがあったね。

だからみんなも、音楽やろうよ!

2026.07.06 
文責:田村

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